雇入時健康診断の費用、会社負担が原則って知っていますか?
皆様こんにちは。社会保険労務士の岩竹です。
従業員を新たに採用する際、「雇入時の健康診断は必要ですか?」「費用は本人負担でいいのでしょうか?」というご質問をよくいただきます。
結論から言うと、雇入時の健康診断は会社の義務であり、費用も原則として会社負担です。
今回は、雇入時健康診断の基本ルールと、実務で注意すべきポイントについてお話ししたいと思います。
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雇入時の健康診断は法律で定められています
雇入時の健康診断は、労働安全衛生法第66条に基づき、事業者が必ず実施しなければならない健康診断です。
対象は、原則として常時使用する労働者で、正社員だけでなく、一定条件を満たすパート・アルバイトも含まれます。
健康診断の目的は、労働者の健康状態を把握し、業務に支障がないかを確認するとともに、健康障害を未然に防ぐことです。
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費用負担は誰がするのか?
雇入時の健康診断は、会社の法定義務であるため、費用は会社が負担するのが原則です。
「採用前だから本人負担でいい」「入社後に返金するつもりだった」というケースも見られますが、原則として自己負担にすることは望ましくありません。
厚生労働省の通達でも、法定健康診断にかかる費用は事業者が負担すべきものとされています。
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「健康診断結果を持ってきてもらう」場合は?
「最近受けた健康診断結果があるので、その結果を提出してもらう」という運用をしている会社も多いでしょう。
この場合、直近3か月以内に法定項目を満たした健康診断結果であれば、雇入時健診として代替可能です。
ただし、その健康診断を受ける際に本人が費用を負担していた場合、後からでも会社が費用を補填するのが望ましい対応です。
トラブル防止の観点からも、費用負担については事前に明確にしておくことが重要です。
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自己負担にするとどんなリスクがある?
雇入時健康診断の費用を本人負担にすると、以下のようなリスクがあります。
• 労基署から是正指導を受ける可能性
• 労働者とのトラブル(返金要求、口コミ悪化など)
• 「法令を守らない会社」という不信感の醸成
特に採用市場が厳しい昨今では、こうした小さな不満が離職や採用難につながるケースも少なくありません。
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実務アドバイス
雇入時の健康診断については、
「誰が」「いつ」「どこで」「費用はどうするか」を、採用時点で明確にルール化しておくことが大切です。
就業規則や採用案内に一言明記するだけでも、無用な誤解やトラブルを防ぐことができます。
健康診断の運用や、パート・アルバイトの対象範囲などでお悩みの際は、当事務所にご相談ください。
御社の実態に合った、無理のない運用をご提案いたします。


