介護事業者必見!生産性向上推進体制加算の取得ステップを徹底解説
皆様こんにちは。社会保険労務士の岩竹です。
2024年度の介護報酬改定で新設された「生産性向上推進体制加算」は、職員の負担軽減やサービスの質向上といった現場改善を報酬に反映できる加算制度です。今回は、事業主が知っておくべきポイントと、実際に加算を取得するためのステップについてお話ししたいと思います。
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生産性向上推進体制加算とは?
生産性向上推進体制加算は、介護事業所の生産性向上を目的とした新しい加算制度です。主な目的は以下の4点です。
1. 利用者の安全確保
2. 介護サービスの質の確保
3. 職員の業務負担軽減
4. ICT(情報通信技術)の活用促進
加算には、比較的取得しやすい「加算(Ⅱ)」と、より高度な取り組みが必要な「加算(Ⅰ)」の2段階があります。
• 加算(Ⅱ):月10単位
• 加算(Ⅰ):月100単位
加算(Ⅰ)は加算(Ⅱ)での実績を積んだ上でステップアップすることが基本です。
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加算取得のためのステップ
STEP1:現場の課題を把握する
まず、現場で何に時間や労力がかかっているかを洗い出します。
例としては、記録業務の負担、夜間巡回の多さ、職員間の連絡遅延などです。
現場の声をアンケートやヒアリングで収集することで、後のICT導入の根拠資料にもなります。
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STEP2:生産性向上委員会の設置
加算取得には、定期的な委員会の開催が求められます。
委員会の構成例は以下の通りです。
• 管理者
• 介護職員(リーダー・一般職)
• 看護職員
• 事務職(可能であれば)
議事録には、現場課題、導入するICT機器の検討理由、導入後の効果などを記録しましょう。
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STEP3:ICT機器の導入
加算(Ⅱ)では、以下のいずれかのICT機器を導入します。
• 見守りセンサー:夜勤負担の軽減
• インカム:職員間の迅速な連絡
• 介護記録ソフト:記録業務の効率化
加算(Ⅰ)を目指す場合は、上記すべてを導入する必要があります。導入後は、業務フローの変化や職員の負担軽減をデータとして残すことが重要です。
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STEP4:効果測定
加算の算定には、導入前後の変化を示すデータが不可欠です。
例としては以下の通りです。
• 業務時間や残業時間の変化
• 職員満足度
• 離職率の変化
定量データと職員のコメントをセットで記録すると説得力が増します。
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STEP5:加算算定開始
委員会の運営、ICT導入、効果測定の仕組みが整ったら、加算(Ⅱ)10単位/月を算定可能です。
その後、加算(Ⅰ)へのステップアップも可能です。
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事業主が押さえておくべきポイント
• ICTを導入するだけでは加算は取れません。現場改善のプロセスそのものが評価されます。
• 小さく始め、データを蓄積し、段階的に加算(Ⅰ)にステップアップするのが現実的です。
• 議事録や効果測定データは必ず残すこと。これが加算算定の根拠になります。
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生産性向上推進体制加算は、職員の働きやすさとサービスの質向上を同時に実現できる制度です。ICT導入や委員会運営を通じて現場改善を積み重ねることで、介護事業所の持続可能な運営にもつながります。
今から準備を始めることで、加算取得だけでなく、職員定着率向上や業務効率化にもつなげられるチャンスです。


