転ばぬ先のマイナ保険証!古い保険証はいつまで使える?
皆様こんにちは。社会保険労務士の岩竹です。
2024年12月に健康保険証の新規発行が終了し、いよいよ「マイナ保険証」へ一本化が進んでいます。
そんな中で最近、時々聞かれるのが、「古い保険証って2026年3月まで使えるんですか?」
というご質問です。
実はこれ、“正しいけれど注意が必要” というのが結論です。
今回は、この古い保険証について
・いつまで使えるのか
・なぜ2026年3月?
・結局、今はどうすればいいのか
をお話ししたいと思います。
■ 古い健康保険証は「2026年3月末まで」受診できる場合がある
厚生労働省は、2025年12月1日に現行の保険証が失効することに伴い、医療機関や薬局で混乱が起きないよう 2026年3月末までの“暫定措置” を通知しています。
この期間中は、
- 古い保険証の有効期限が切れていても
- 医療機関がオンラインで加入状況を確認できれば
保険診療として受けられる場合がある という運用です。
「じゃあ2026年3月まで安心だ!」と考えたくなりますが、ここに落とし穴があります。
■ 注意!「必ず使える」わけではありません
暫定措置はあくまで “医療機関側の対応次第” です。
つまり、
- オンライン資格確認の設備がない医療機関
- 設備があっても確認がうまくできない場合
- 医療機関の方針によっては古い保険証を断られる場合
など、必ずしも使えるとは限らない のが実情です。
また、厚労省はこの暫定措置について「積極的な周知はしない」という方針のため、医療機関側に情報が浸透していない可能性もあります。
そのため、「古い保険証を持っているから大丈夫」と思うのは危険です。
■ 結局、2026年4月からは何が必要?
2026年4月以降は、原則として次のどちらかが必須になります。
① マイナ保険証(マイナンバーカードと保険の紐付け)
もっとも確実で、今後の標準となる方法です。
② 資格確認書(マイナ保険証を使わない人向け)
マイナンバーカードを持っていない人のために保険者から発行される紙の証明書です。
この2つのどちらも持っていない場合、保険診療が受けられず全額自己負担 になる可能性があります。
■ 今、個人としてやっておくべき3つのこと
① マイナ保険証への切り替え、または資格確認書の準備
自分がどの方法で受診したいのかを明確にしておきましょう。特に資格確認書は加入している健康保険(会社の健保組合、市区町村など)に問い合わせが必要です。
② 医療機関のオンライン資格確認の有無を確認
古い保険証を使う場合、病院・薬局が対応していないと保険診療になりません。受診前に電話で聞くことをおすすめします。
③ マイナンバーカードの有効期限チェック
カード本体、電子証明書の期限が切れていると、マイナ保険証として機能しません。
■ 社労士としてのまとめ
- 古い保険証は 2026年3月末まで“使える可能性がある”
- しかし 「必ず」ではないため過信は禁物
- 2026年4月以降は マイナ保険証 or 資格確認書が必須
- 安心して医療を受けるためには 早めの準備が確実
制度移行期はどうしても混乱が起きがちです。不安がある方は、加入している保険者(健康保険組合・協会けんぽ・市区町村)に早めに相談することをおすすめします。


