「有給がない人」はどうなる?計画的付与を導入する前に必ず確認したいポイント
皆様こんにちは。社会保険労務士の岩竹です。
夏季休業や年末年始休業などを「事業場全体の休業」とし、有給休暇の計画的付与として一斉に年休を取得させたい、というご相談は少なくありません。
業務効率化や有給取得率向上の観点から、有効な制度である一方、対象となる労働者の扱いを誤ると、労働基準法違反となる可能性がある点には注意が必要です。
今回は「有給休暇の計画的付与」についてお話ししたいと思います。
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計画的付与の対象にならない労働者がいる
有給休暇の計画的付与は、「年次有給休暇の権利を有している日数の範囲内」でのみ行うことができます。
そのため、次のような労働者は計画的付与の対象にできません。
• 入社から6か月未満で、まだ年休権が発生していない労働者
• 所定労働日数が少なく、年休日数が一斉付与日に足りない労働者
「事業場全体が休みだから」という理由だけで、これらの労働者を年休扱いにすることはできないのです。
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会社に求められる望ましい対応とは
このような労働者がいる場合、厚生労働省の考え方としては、使用者が以下のような措置を講じることが望ましいとされています。
• 特別休暇(有給)を付与する
• 年次有給休暇の日数を上乗せする
いわゆる「会社独自の配慮」によって、不利益が生じないようにする対応です。
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何もしないで休ませた場合はどうなる?
もし特別な措置を取らず、事業場全体の休業として労働者を休ませた場合、
• 労働契約
• 労働協約
• 就業規則
などに基づき、賃金や手当の支払いが定められていれば、その定めに従って支払う必要があります。
さらに、そうした定めがない場合であっても、労働基準法第26条の「休業手当」の問題が生じます。
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労基法26条の休業手当が必要になるケース
事業場全体の休業が使用者の都合による休業と判断される場合には、少なくとも
平均賃金の60%以上の休業手当
を支払うことが原則として必要です。
「有給がないから無給で休ませる」という対応は、
リスクが非常に高いと言えるでしょう。
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計画的付与は“制度設計”が重要
有給休暇の計画的付与は、
• 就業規則への規定
• 労使協定の締結
• 対象者ごとの年休日数の把握
など、事前の制度設計が不可欠です。
「みんな一斉に休めば問題ない」と安易に導入してしまうと、思わぬ未払い賃金トラブルにつながることもあります。
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まとめ|導入前のチェックがトラブルを防ぐ
✔ 年休権がない・足りない労働者はいないか
✔ その労働者への対応をどうするか
✔ 休業手当が必要となるケースを想定しているか
これらを事前に整理することが、安心して計画的付与を運用する第一歩です。
制度設計や就業規則の整備に不安がある場合は、当事務所にご相談下さい。


