雇用環境は転換点?最新雇用統計に見る採用戦略の見直しポイント

皆様こんにちは。社会保険労務士の岩竹です。

厚生労働省と総務省が発表した11月の雇用統計から、国内の雇用環境に変化の兆しが見えてきました。

有効求人倍率(季節調整値)は前月と同じ1.18倍となり、4月の1.26倍をピークに7カ月連続で低下しています。水準としては2021年後半並みまで戻っており、企業の「求人控え」がより鮮明になっています。

注目すべきは、有効求人数が前年同月比で7.0%減少している点です。有効求職者数も減ってはいるものの、その減少幅は1.7%にとどまり、企業側の求人抑制が主因で倍率が下がっていることが分かります。景気の先行き不透明感や人件費上昇を背景に、採用計画を慎重に見直す企業が増えていると考えられます。

産業別では、「生活関連サービス・娯楽業」「宿泊・飲食サービス業」「卸売・小売業」など、個人消費の影響を受けやすい業種で求人減少が顕著です。全11産業で前年割れとなっており、業界を問わず採用環境が引き締まりつつある点には注意が必要でしょう。

また、正社員の有効求人倍率は0.98倍と、ついに1倍を下回りました。これは「正社員1人の求職者に対して、1件未満の求人しかない」状態を意味します。人手不足感が強かった数年前とは異なり、正社員採用についても選別色が強まる可能性があります。

一方で、完全失業率は2.6%と4カ月連続で横ばいとなりました。就業者数は増加を続けているものの、完全失業者数も増えており、雇用の「質」の変化がうかがえます。

特に注目されるのが雇用形態別の動きです。正規従業員は前年同月比81万人増と堅調に増加する一方、非正規従業員は30万人減少し、非正規比率も低下しています。アルバイトや契約社員の減少が目立ち、人員構成の見直しが進んでいる企業も多いと考えられます。

このような環境下では、「とりあえず採用する」「人手不足だから雇う」という姿勢から、「必要な人材を、適切な条件で、長く定着させる」採用・雇用管理への転換が求められます。

採用抑制局面では、労働条件の明確化、就業規則の整備、評価制度の見直しなど、人事労務の基盤が企業競争力に直結します。

雇用環境が変化する今こそ、目先の採用だけでなく、中長期的な人材戦略と法令順守の両立が重要です。自社の雇用管理に不安がある場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。当事務所では、最新の労働統計を踏まえた実務的なアドバイスを行っていますので、お気軽にご相談ください。

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