労働時間規制はどう変わる?労基法改正見送りから見える「これからの働き方」
皆様こんにちは。社会保険労務士の岩竹です。
最近のニュースで、「労働時間規制をめぐる労基法改正案が通常国会への提出を見送られた」と報じられました。
働き方改革関連法が施行されてから5年が経過し、制度の見直しが検討されていましたが、労使の意見がまとまらず、結論は先送りとなったようです。
今回は、このニュースをもとに、労働時間規制がなぜ議論になっているのか、そして企業や働く人にどんな影響があるのかをお話ししたいと思います。
「もっと働きたい人の選択」をどう考えるか
高市首相は就任時に、「心身の健康を守ることを前提に、働く人の選択肢を広げる規制緩和」を検討するよう指示しました。
背景には、少子高齢化による人手不足があります。
「働ける人が、希望すればもう少し働ける環境を整えたい」
この考え自体は理解しやすいものですが、一方で労働組合や過労死遺族の方々からは強い懸念の声も上がっています。
残業時間の上限はどうなる?
現在の法律では、残業時間は原則として月45時間・年360時間、特別な事情があっても月100時間未満と定められています。
いわゆる「過労死ライン」を超えないようにするための重要なルールです。
今回の議論では、この残業時間の上限そのものを緩和する話にはなっていません。
経営側の代表である経団連も「この規制は堅持すべき」としており、ここは共通認識となっています。
最大の争点は「裁量労働制」
意見が大きく分かれているのが裁量労働制です。
裁量労働制とは、実際に働いた時間ではなく、「あらかじめ決めた時間働いたものとみなす」制度です。
使用者側は、「生産性向上のために対象業務を広げるべき」と主張しています。
一方、労働者側は、「十分な裁量がなければ、長時間労働を助長しかねない」と慎重な姿勢です。
制度そのものよりも、適正に運用されているかどうかが問題だと言えるでしょう。
企業に求められる今後の対応
労基法改正は見送られましたが、議論が終わったわけではありません。
今後も労働市場改革の検討は続き、制度変更の可能性は十分にあります。
企業としては、
- 現行の労働時間管理が適正か
- 裁量労働制やフレックスタイム制を正しく運用できているか
- 従業員の健康確保措置が機能しているか
を改めて点検することが重要です。
社会保険労務士にご相談ください
労働時間の問題は、法令遵守だけでなく、人材確保や定着にも直結します。
制度の導入や見直しに不安がある場合は、早めに専門家へご相談ください。
当事務所では、最新の法改正動向を踏まえた実務的なアドバイスを行っています。
「今のやり方で大丈夫?」と感じたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。


