育休中でも傷病手当金はもらえる?知らないと損するお金の話
皆様こんにちは。社会保険労務士の岩竹です。
「育児休業中に体調を崩してしまった」
「病院に行ったら、しばらく安静が必要と言われた」
そんなとき、育児休業給付金をもらっているから、傷病手当金はもらえないのでは?
と思われている方は少なくありません。
今回はこの2つの制度「育児休業給付金」「傷病手当金」についてお話ししたいと思います。
結論からお伝えすると、育児休業中であっても、条件を満たせば『育児休業給付金』と『傷病手当金』は同時にもらえます。
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2つの給付金は何が違う?
まずは、それぞれの制度の目的を簡単に整理しましょう。
育児休業給付金とは
育児休業給付金は、子どもを育てるために仕事を休んでいる間の生活を支える制度です。
雇用保険から支給されます。
支給額は、
• 育休開始から180日目まで:賃金の67%
• 181日目以降:賃金の50%
となっています。
傷病手当金とは
一方、傷病手当金は、仕事とは関係のない病気やケガで働けなくなったときの生活保障です。
こちらは健康保険から支給されます。
医師が「仕事ができない」と判断し、
連続3日間の待期期間を経過すると、4日目以降が支給対象になります。
支給額は賃金の約67%、最長1年6か月です。
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なぜ同時にもらえるの?
ポイントは、2つの制度は法律も目的もまったく別だということです。
• 育児休業給付金 → 雇用保険
• 傷病手当金 → 健康保険
そのため、法律上も「同時にもらってはいけない」という決まりはありません。
実際に、国の通達でも
育児休業中であっても、傷病手当金の要件を満たせば支給される
と明確に示されています。
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「育休中は働いていない=傷病手当金は出ない」は誤解
よくある誤解が、「育休中はもともと働いていないのだから、傷病手当金は対象外では?」という考え方です。
しかし、傷病手当金で重要なのは、
『本来なら働ける状態なのに、病気やケガで働けないかどうか』です。
医師が
「通常の勤務はできない」
と判断すれば、育休中でも支給対象になります。
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両方もらうと給料より多くなるけど大丈夫?
育児休業給付金と傷病手当金を同時にもらうと、
合計額が休業前の給料を超えるケースもあります。
それでも、どちらかが減額されることはありません。
(※出産手当金と傷病手当金のような調整とは別です)
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実務上の注意点
実は、「育休中は傷病手当金はもらえない」と思い込んでいる会社の担当者も少なくありません。
最近は、産後うつなどで育児休業中に傷病手当金を利用するケースも増えています。
正しい制度を知り、必要な方がきちんと給付を受けられるようにすることが大切です。
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育休中の給付金は、制度が複雑で判断に迷うケースが多くあります。
「自分の場合は対象になるの?」
「会社にどう説明すればいい?」
そんなときは、社会保険・雇用保険の専門家である当事務所へお気軽にご相談ください。


