社会保険の“130万円の壁”、2026年からの扶養認定の新ルール

皆様こんにちは、社会保険労務士の岩竹です。

先日、朝日新聞のビジネス向けメディアに「130万円の壁」に関する記事が掲載されていました。
パート・アルバイトで働く配偶者の 社会保険上の扶養判定 について、2026年4月から認定方法が見直される という内容です。

今回はこの「130万円の壁」に関する認定方法についてお話ししたいと思います。

🔹 そもそも「130万円の壁」とは?

社会保険では、会社員の家族などが被扶養者(保険の扶養に入っている人)になると、自分で社会保険料を払わなくてもよい仕組みがあります。
この判定基準が従来、「今後1年間でどれだけ稼ぐ見込みか?」で判断されていました。年収見込みが130万円未満なら扶養OK、以上なら自分で保険料を払う必要がある、とされていたのです。

しかし、実際には給与の変動や時間外労働などで年収が見込みより変わってしまい、予想外に扶養から外れたり、手取りが減ったりすることがありました。

🔹 2026年4月からどう変わる?

2026年4月1日以降は、扶養の判定基準が 「将来の収入見込み」ではなく、労働契約段階での収入(契約内容)で判断 されるようになります。つまり、
👉 どのくらい働く契約なのか → その契約内容をベースに年間収入を算出
👉 それが基準額(130万円等)を下回るかで判断
という方法に変わるのです。

この変更は、企業側・本人側どちらにも 予見しやすい判定基準 を提供し、あとから「扶養外れになっていた!」といったトラブルを抑える目的があります。

🔹 どんな契約内容で判断されるの?

新しい基準では、雇用契約書や労働条件通知書などに書かれた時給・労働時間・勤務日数等を基に年間収入を計算します。
例えば:
• 時給×労働時間×週の勤務日数
• 年間での契約労働時間
• 契約期間・更新の可能性も含めて判断

という形で、実際に稼ぐであろう収入をより正確に判定するのが特徴です。

🔹 この変更のメリットは?

✔️ 年収見込みだけで判断しないため、 実際の働き方に沿った判定 ができる
✔️ 契約内容から予測するため、 急な収入変動に左右されにくい
✔️ 扶養判定がより透明で予測可能になる

たとえば、臨時に収入が増えた場合でも、「契約内容からみて扶養に入るべき」と判断されるケースが出てくる可能性があります。逆に、時間外労働や不確定な労働を見込みに入れないので、安定的な働き方の人ほど判定がしやすくなるというメリットもあります。

🔹 事業主・人事担当者の皆さまへ

この判定基準の変更は、給与計算や社会保険の手続き、人事管理にも関わる重要なポイントです。特にパートタイムや契約社員の働き方が多様化している昨今、労働契約書の内容を正しく把握しておくことが大切です。

当事務所では、 契約書の見直し・被扶養者判定の相談・社会保険手続き代行 を承っています。
「これってどうなるの?」といった疑問もお気軽にご相談ください。

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