採用面接で失敗しないために!やってはいけない質問・正しい聞き方
皆様こんにちは。社会保険労務士の岩竹です
採用面接は、会社にとっても応募者にとっても重要な場面。しかし、何気なくした質問や発言が「不適切な質問」や「差別的な扱い」にあたってしまうことがあるのをご存じですか?
実際、採用時のトラブルや行政からの指導は年々増えています。
今回は、「採用面接で気をつけたいポイント」についてお話ししたいと思います。
■ 採用面接の目的を再確認
まず大切なのは、「面接の目的は応募者の適性を見極めること」です。つまり、仕事に関係する能力・経験・人柄を確認する場であるということ。反対に、仕事に関係のないプライベートなことまで聞き出すのはトラブルのもとになります。
■ 聞いてはいけない質問の例
厚生労働省は、「公正な採用選考の基本」というガイドラインで、聞くべきでない質問の例を挙げています。
代表的なものを見てみましょう。
<NG質問例>
- 家族構成(親の職業、兄弟姉妹の人数など)
- 本籍地や出身地、国籍
- 宗教や信仰、政治的な考え方
- 結婚や出産の予定
- 住宅の状況(持ち家か賃貸か)
- 健康状態や病歴(仕事に直接関係ないもの)
これらは、本人の能力とは関係のない個人的な情報であり、採用判断の材料にしてはいけません。
たとえ悪意がなくても、「差別的な選考」と受け取られるリスクがあります。
■ よくある“うっかり質問”
中小企業では、和やかな雰囲気をつくろうとするあまり、つい聞いてしまうケースが多いです。
たとえば…
「ご結婚の予定はありますか?」「お子さんが小さいようですが、残業は大丈夫ですか?」
このような質問も、性別や家庭の事情を理由に採用を判断しているとみなされるおそれがあります。代わりに、次のように聞くと安全です。
「当社では繁忙期に残業が発生しますが、対応は可能でしょうか?」
このように、仕事の内容や勤務条件に焦点をあてて質問することがポイントです。
■ 採用面接の進め方のコツ
- 質問内容をあらかじめ整理しておく
その場の思いつきで質問すると、つい不適切な話題に触れてしまうことがあります。
事前に「業務に関係する質問リスト」を作っておくと安心です。 - 複数の面接官で対応する
一人だけの判断では主観が入りやすく、誤解も生まれやすいです。
できれば2名以上で対応し、公正な評価を心がけましょう。 - 記録を残しておく
面接メモは、後から「なぜ不採用にしたのか」を説明する際にも重要な資料になります。
■ 採用活動は「企業の顔」
採用面接は、応募者にとって会社の第一印象を決める大事な機会でもあります。面接での対応が丁寧で公正であれば、たとえ不採用でも「良い会社だった」と感じてもらえるもの。
反対に、不適切な質問や曖昧な対応は、SNSなどで悪評が広がるリスクもあります。「公正な採用」を意識することが、企業ブランドの向上にもつながるのです。
■ まとめ
採用面接では、
- 仕事に関係ある質問だけを行う
- 家庭や宗教、出身などプライベートな内容には触れない
- 面接の流れと記録を整えておく
この3つを意識するだけでも、トラブルを防ぎ、公正で安心な採用活動を実現できます。
もし、「うちの面接内容、問題ないかな?」と感じたら、お気軽ににご相談ください。面接マニュアルや質問例の整備まで、サポートいたします。


