「えっ!? 年を取るのは誕生日じゃない!?」意外と知らない“年齢のホントの数え方”
皆様こんにちは。社会保険労務士の岩竹です。
今回は、誰にでもある「誕生日」について、ちょっと意外なお話をしたいと思います。
皆さんは、自分の年齢が増えるのは「誕生日当日」だと思っていませんか?
実は、法律の世界では違うのです。
◆ 年齢が増えるのは「誕生日の前日」
民法では、「年齢は誕生日の前日に加算される」と定められています。たとえば11月5日生まれの人は、11月4日の午後12時(=24時を過ぎた瞬間)に1歳年を取るということになります。このルールは、社会保険や年金制度などで年齢を判定する際に非常に重要になります。
◆ 「65歳の壁」にも関係あり!
たとえば雇用保険の失業給付では、「65歳未満か65歳以上か」で支給される給付が変わります。
- 65歳未満で退職 → 基本手当(失業手当)※最長で150日分
- 65歳以上で退職 → 高年齢求職者給付金(一時金)※最大で50日分
この「65歳以上か未満か」の判断も、誕生日の前日で行われます。つまり「誕生日の前々日に退職すればまだ64歳扱い」ですが、「誕生日の前日に退職すると65歳扱い」となるのです。たった1日の違いで受け取れる制度(給付額)が変わる――まさに“誕生日マジック”ですね。
◆ 年金にも影響
年金の支給開始年齢や加給年金の停止など、制度によっては年齢の計算方法が異なります。
「自分はいつの時点でその年齢になるのか」を正しく理解しておくことが、手続きや受給タイミングの損得を分けることもあります。
◆ 誕生日は「人生の節目」と「制度の節目」
誕生日は人生の節目であり、社会保険制度では“区切り”としての意味も持っています。
「誕生日の前日に歳を取る」というルールを知っておくだけで、退職日や年金請求のタイミングをより有利に計画できるかもしれません。
◆ まとめ
- 年齢は「誕生日の前日」に増える
- 雇用保険や年金など、制度上とても重要なルール
- 退職日や手続きのタイミングに影響する可能性あり
誕生日はお祝いの日であると同時に、ライフプランを見直す絶好のチャンスです。「制度上の年齢」を意識することで、安心で賢い選択ができるようになります。


