知らないと損するかも?健康保険の任意継続制度
皆様こんにちは。社会保険労務士の岩竹です。
今回は「健康保健の任意継続制度」についてお話ししたいと思います。
退職したあと、まず気になるのが「健康保険をどうするか」という問題です。
会社を辞めると、これまで加入していた社会保険(健康保険・厚生年金)の資格を喪失します。通常であればその後は、国民健康保険に加入するか、家族の健康保険の被扶養者になるかのどちらかだと思います。
しかし、一定の要件を満たせば引き続き健康保険の被保険者になることができるのです。それが「健康保険の任意継続被保険者制度」です。
■任意継続とは?
健康保険の任意継続とは、退職後も最長2年間、会社員時代と同じ健康保険に加入し続けることができる制度です。
通常、会社を辞めると健康保険の資格は失われますが、一定の条件を満たせば、自分の意思で健康保険を継続することが可能になります。
この制度を利用すると、退職後も健康保険証をそのまま使うことができ、医療費は現役時代と同様に3割負担のままです。
■加入できる条件
任意継続被保険者になるためには、次の2つの条件を満たす必要があります。
- 退職前に、継続して2か月以上健康保険に加入していたこと
- 退職日の翌日から20日以内に申請を行うこと
申請先は、退職前に加入していた健康保険組合や協会けんぽ(全国健康保険協会)です。
期限を過ぎると、どんな理由があっても加入できませんので注意が必要です。
■保険料はいくらになるの?
任意継続になると、保険料の全額を自分で負担する必要があります。
会社員時代は保険料の半分を会社が負担していましたが、退職後はその負担がなくなるため、単純に保険料が2倍になります。ただし、保険料には上限が設けられているため、会社員時代に高所得だった方にとっては、保険料が下がるケースもあります。また、扶養家族もそのまま継続して保険に入ることができます。
■任意継続と国民健康保険、どっちがいい?
退職後に加入できる健康保険は、「任意継続」か「国民健康保険」のいずれかです。
どちらが有利かは、人によって異なります。
- 扶養家族が多い場合は、保険料が世帯ごとに変わらない任意継続が有利になることがあります。
- 所得が下がる見込みがある場合は、国民健康保険のほうが安くなる場合もあります。
一度任意継続を選択すると、原則として2年間は変更できません(途中で就職し、他の健康保険に入る場合を除く)ので、加入前に保険料を試算して比較することをおすすめします。
■まとめ
退職後の健康保険は、「任意継続」と「国民健康保険」のいずれかに必ず加入する必要があります。
任意継続制度を使えば、最長2年間は退職前と同じ健康保険を継続でき、医療費負担も変わりません。
ただし、申請期限(20日以内)や保険料負担の増加など、注意すべき点もありますので、あなたの状況に合った最適な方法を選ぶことが大切です。


